社会福祉法人 全国手話研修センター
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手話日本憲法

手話言語研究所

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前へ 次へ 【解説】天皇・象徴・生前退位
こんにちは。( )

日本(にほん)(こく)憲法(けんぽう)は、(まえ)()きと条文(じょうぶん)の2つから()()っています。条文(じょうぶん)(ほう)は、(だい)(じょう)(だい)103(じょう)までの条文(じょうぶん)があります。
(だい)(じょう)内容(ないよう)はご存知(ぞんじ)ですか?(だい)(じょう)のテーマは「天皇(てんのう)地位(ちい)主権(しゅけん)在民(ざいみん)」です。(だい)(じょう)()んでみましょう。第一条(だいいちじょう)では、天皇(てんのう)を「日本(にほん)(こく)象徴(しょうちょう)であり日本(にほん)国民(こくみん)統合(とうごう)象徴(しょうちょう)」であると規定(きてい)しています。
ここで「象徴(しょうちょう)」が()てきていますが、どのような意味(いみ)でしょうか?「象徴(しょうちょう)」を英語(えいご)翻訳(ほんやく)すると「シンボル」。()かりやすい(れい)でいうと、「オリンピック」を象徴(しょうちょう)するものがあります。(なん)でしょうか?「五輪(ごりん)」のマークですね。
憲法(けんぽう)では、天皇(てんのう)象徴(しょうちょう)規定(きてい)しています。どういう意味(いみ)でしょうか?これを(かんが)えるためには、過去(かこ)()(かえ)必要(ひつよう)があります。(むかし)明治(めいじ)時代(じだい)に、(いま)憲法(けんぽう)よりも(ふる)憲法(けんぽう)がありました。その憲法(けんぽう)には、天皇(てんのう)について、日本(にほん)(こく)象徴(しょうちょう) プラス 日本(にほん)(こく)統治権(とうちけん)()(ひと)、この2つの立場(たちば)()ねる、と規定(きてい)されていました。
それに(たい)して(いま)憲法(けんぽう)は、天皇(てんのう)は、(くに)政治(せいじ)(かん)する権力(けんりょく)()たない。()つのは国民(こくみん)(みな)さんです。(いま)憲法(けんぽう)が、天皇(てんのう)日本(にほん)(こく)象徴(しょうちょう)であるとしているのは、(さき)ほど(はな)した2つの立場(たちば)のうち、「象徴(しょうちょう)」のみの立場(たちば)になるという意味(いみ)です。
まとめると、日本(にほん)(こく)憲法(けんぽう)第一条(だいいちじょう)()かれていることは、天皇(てんのう)日本(にほん)(こく)象徴(しょうちょう)日本(にほん)国民(こくみん)統合(とうごう)象徴(しょうちょう)であることが1つめです。2つめは、主権(しゅけん)国民(こくみん)にあるということです。この2つが規定(きてい)されています。
(いま)()った2つめの「国民(こくみん)主権(しゅけん)」はとても大事(だいじ)なことです。憲法(けんぽう)原則(げんそく)です。憲法(けんぽう)には、原則(げんそく)が3つあります。3つの(はしら)があります。「国民(こくみん)主権(しゅけん)」は1(ぽん)()(はしら)です。とても重要(じゅうよう)(はしら)です。
(のこ)り2つは(なん)でしょうか?憲法(けんぽう)前書(まえが)き、憲法(けんぽう)(はじ)めのところの文章(ぶんしょう)です。これを()むと、2(ほん)()(はしら)()かれています。「平和(へいわ)主義(しゅぎ)」です。3つ()(はしら)は、「基本的(きほんてき)人権(じんけん)尊重(そんちょう)」です。これらの3つが、とても大事(だいじ)(はしら)になります。
ところで、(いま)天皇(てんのう)について、ニュースなどで議論(ぎろん)になっていることがあります。(なん)でしょうか?手話(しゅわ)(あらわ)すと(<天皇(てんのう)>が(うし)ろに()りる)です。(なに)かというと、天皇(てんのう)()きている(あいだ)地位(ちい)から()りる、ということです。これが、いま議論(ぎろん)になっています。
その理由(りゆう)は、(いま)天皇(てんのう)陛下(へいか)は、生前(せいぜん)退位(たいい)(のぞ)んでいますが、憲法(けんぽう)では、生前(せいぜん)退位(たいい)についてのルールが()せられていません。憲法(けんぽう)()いてあることといえば、第二条(だいにじょう)天皇(てんのう)立場(たちば)世襲(せしゅう)であり、その立場(たちば)については、(べつ)法律(ほうりつ)()める。
(べつ)法律(ほうりつ)とは?皇室(こうしつ)典範(てんぱん)(こうしつてんぱん)です。皇室(こうしつ)典範(てんぱん)という国会(こっかい)議決(ぎけつ)される法律(ほうりつ)があります。この法律(ほうりつ)(したが)って、天皇(てんのう)立場(たちば)()まります。この法律(ほうりつ)()ても、「生前(せいぜん)退位(たいい)」という言葉(ことば)()っていません。()わりに()っているのは、(べつ)のことば、摂政(せっしょう)(せっしょう)という言葉(ことば)です。
(むかし)有名(ゆうめい)人物(じんぶつ)である、聖徳太子(しょうとくたいし)聖徳太子(しょうとくたいし)(つと)めたことがあります。(いま)天皇(てんのう)陛下(へいか)のお(とう)さん、昭和(しょうわ)天皇(てんのう)(つと)めました。そのお(とう)さんの大正(たいしょう)天皇(てんのう)病気(びょうき)になったときです。「摂政(せっしょう)」を(つと)めるには、条件(じょうけん)があります。2つのうちのいずれかです。1つ()天皇(てんのう)未成年(みせいねん)であるとき。2つ()は、天皇(てんのう)陛下(へいか)(おも)病気(びょうき)になったときです。この2つ以外(いがい)では、摂政(せっしょう)()くことはできません。
生前(せいぜん)退位(たいい)」についてのルールは、どこにも()っていません。ただ、(いま)天皇(てんのう)陛下(へいか)は、生前(せいぜん)退位(たいい)したいと(はな)しています。これが議論(ぎろん)になっています。これから皇室(こうしつ)典範(てんぱん)改正(かいせい)、または、(あたら)しい(べつ)法律(ほうりつ)(つく)るのか、これらを(ふく)めて()(ろん)(すす)んでいるところです。

これからのニュースや新聞(しんぶん)、テレビなどを、これからも一緒(いっしょ)()ていきたいですね。