聞き手:よろしくお願いします。
松田先生:よろしくお願いします。
聞き手:質問ちょっとよいでしょうか。
松田先生:どうぞ。
聞き手:前の憲法の中では、人権はどうなっていたのでしょうか。
松田先生:良い質問ありがとうございます。明治憲法では「天皇から与えられたもの」という考え方でしたが、今の憲法では「人間が生まれつき持っているもの」という考え方に変わりました。
聞き手:なるほど、分かりました。
それから、ろう者の人権についてもっと知りたいです。教えてください。
松田先生:それは素晴らしいことです。まず人権は私たちろう者にとっても本当に大事です。
人権は、これまでの人々の「自由獲得の努力の成果」です。ですので、今までのろう者の人権が奪われた例をもとに考えてみましょう。
わずか20年くらい前までは法律で聴覚障害者は医師・薬剤師にはなれないというルールがありました。憲法22条1項によれば、職業選択の自由があります。しかし、「耳が聞こえないから、医師・薬剤師の仕事ができない」という偏見・無理解により、憲法22条1項で守られている職業選択の自由が奪われている状況でした。先輩方の運動のお陰で、ルールが撤廃され、今では、聴覚障害者の医師・薬剤師も増えています。
他に、聴覚障害者の人権や自由が奪われていたという例を知っていますか?
聞き手:最近、テレビで、優生保護法の裁判のニュースをみました。
松田先生:よく知っていますね。優生保護法は1996年まであった法律です。障害のある人は「国にとって邪魔だ」という考え方から作られた法律です。この法律に基づき、多くの障害のある方々が、強制的に不妊手術を受けました。その中に、強制的に不妊手術を受けたろう者もいます。個人として尊重されることなく、障害を理由に差別されました。また、子どもを産んで育てる権利・選択する権利も奪われ、生涯にわたって苦しんでいます。憲法13条と14条で保障された人権を奪われた非常に残念な事例です。
聞き手:裁判所も、人権侵害だったということは認めているようですね。それなのに、20年過ぎたから訴えは認められない、となるのはおかしいと思います。まだ裁判は続くみたいなので、注視していきたいです。それから、昔は、聴覚障害者は運転免許をとれなかったと聞いたことがあります。
松田先生:そうです、それも人権が奪われていた例の1つです。
普段はなかなか気づく機会がないかもしれませんが、私達が当たり前に、安心して生活ができているのは、人権が守られているからです。これまでの先輩方、昔の人々が人権「獲得」のため「努力」してきたお陰であることをまずは知っていただきたいです。
しかしながら、ご存知のとおり、まだまだ、手話に関しての権利、コミュニケーションに関しての権利に関しては、課題がまだまだ多く残っています。この2つの権利も重要な人権です。こうしてみると、いかに人権が大事か分かるのではないでしょうか。
未来の私達や子ども達が、一人ひとり大事にされ、人権を守られて、安心して生活できるかどうかは、今の私達にかかっています。自分にできることを、少しずつやっていきたいですね。
聞き手:人権は、私達にもすごく関係があり、大事だということがわかりました。私も、普段の生活から人権について考えてみたいです。
聞き手:ありがとうございました。
松田先生:ありがとうございました。
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